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地平線

満州平原の夕日は

どこまでも赤く、果てしない地平線が続く

真っ赤に落ちゆく太陽は、大きくて

異国だということを忘れた。

満州国は、日本の領土という教育だったので
極楽黄土ということを疑うこともなく
アジア号に乗ってやって来た。

敗戦になることなど疑うこともなかった。

家にはオンドルがあり、氷点下20度になっても暖かだった。

8月15日を境に、髪を切り 顔に炭を塗り
夜は、天井裏に逃げた。

社宅仲間だった100人ほどの人は、引き揚げ船の出るチンタオまで歩いた。

満州にやって来て眺めた、あの夕日は
真っ赤に燃えていた。

累々とした遺体を越えて、ただ歩いた。
赤ん坊を背負う人は、ぐったりと息をしていない我が子に気づくこともなかった。

ふるさと日本を目指して
ただひたすらに歩いた。

血の色に見える、夕日の中を・・・

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許婚

hirosaki-2.jpg


「ここで見送りました」

「二度と帰って来ることのない出征です」

「特攻隊へ志願していました・・・」

私の許婚です。

どうしても行くのなら、せめて挙式をしてからと懇願しました。

「君を、すぐに未亡人にはしたくない」

そう言って、行ってしまいました。

桜の花ぴらが散る頃
飛び立ちました。片道だけの燃料で・・

あれから幾度桜が咲いても
面影は消えません。

一番愛しい人ですものね

でも、もうすぐ逢えます。

桜の花びらが散る頃

逢いたいです。。。

とうとう、ひとりで過ごしてきました。

あと、わずかな命のともし火

桜の花に託します。


出征

sakurayae4.13t2[1]

「行きたくないんだ、母さん」

「滅相もない そんなこと言うもんでないよ」

「僕は、人を殺しあうなんてまっぴらだ」

母は、急に黙った。。

心の中でつぶやいていた

***そんなことわかっているよ
百も承知だよ
こんな戦争なんて早く終わればいい***


どうしてあの時 大きな声で言ってやれなかったのだろう
   紙切れ一枚で、命と引き換えた。
   遺骨も何も戻らない
   輸送船で撃沈されたのなら、海の藻屑となっていた。

   母は、桜が咲くと慟哭する


  どうして、あの時 行くなと大声で言ってやれなかったのかと。。。
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